Apache Jamesによるメールアプリケーションフレームワークの導入

James （Java Apache Mail Enterprise Server）は， Apache Software Foundation のトップレベルのプロジェクトとして開発が進められている、電子メールの処理エンジンです。もともとは、 Jakartaのサブプロジェクトとして開発が行われていましたが、現在ではApacheのトップレベルプロジェクトに昇格しています。 Jamesは，SMTPだけではなくPOP3にも対応したメールサーバとして動作し，LDAPとの接続機能やNNTPのサーバ機能も持っています（残念ながら IMAP4 は，今のところサポートされていません． Version3での対応予定となっています）．Jamesは，パフォーマンスやスケーラビリティとともに，セキュリティについても注意深く設計されており，全体としてミッションクリティカルなシステムにも適用できることを目標に開発が行われています．

もともとJakartaのサブプロジェクトであったため、 Jamesは100% Java言語で開発が行われており、 Solaris/LinuxはもちろんWindows，Mac上でも動作させることが可能で，さらにオープンソースで提供されています．

Jamesは，単なるメールサーバとしての機能を提供するだけではなく，メール処理を行なうプログラムのためのアプリケーションフレームワークも提供します． HTTPを処理するフレームワークとしてのServlet (注1) ，ビジネスロジックのコンポーネント指向フレームワークとしてのEJB，あるいはJUnitなどのテスティングのためのフレームワークなど，Java言語のためのさまざまなフレームワークが開発されてきました．しかしメール処理については，インターネット上でもっとも広く使用されているアプリケーションでありながら，標準的なフレームワークが存在していませんでした． James は，メール処理プログラムのためにApache Mailetと呼ばれるアプリケーションフレームワークを提供しています．

Jamesはメール処理のためのさまざまな機能を提供していますが，以降ではMailetフレームワークを中心に，Jamesが解決するメールアプリケーションの問題点，James の構造，そしてインストール方法とアプリケーションの作成方法までをご紹介します．

注1) Servletは、正確にはHTTP専用ではなくプロトコルは抽象化されています。

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