Jakarta POIで、Excelドキュメントを操作する

6. まとめ
HSSFが提供するAPIを使用して，XLSファイルの読み込みと生成の方法を説明しました．XLSの生成については，より高レベルな機能を提供する HSSFSerializerがCocoonプロジェクトから提供されています（HSSFSerializerは，もともとPOIプロジェクトで開発されていたもので，現在はCocoonプロジェクトに寄贈されました）．
HSSFSerializerを使用すると，XMLからXSLファイルを生成することができるようになります．その他，ワークシートのレコードをJavaオブジェクトにマッピングする操作を容易にするレコードジェネレータというツールなど，POIによる開発をサポートするツールもいくつか提供されています．
OLE2複合ドキュメントのデータブラウザや，XLS 形式で帳票を出力するアプリケーションなど，すでに POIはいくつもの実用プロダクトでも使用されています．Windows環境に依存したデータの処理は，これまでJavaが最も苦手とする処理の1つでした．現時点では完全ではありませんが，POIはOLE2複合ドキュメントを操作する手段を提供してくれます．特にExcel のXLSファイルに関しては，かなりの操作が可能となっています．今後，Wordにも対応予定となっており，さらなる発展が楽しみです．

初出:技術評論社刊「JAVA PRESS Vol.32」
JAVA PRESSの記事に加筆・修正しています。

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