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Apache Jamesによるメールフレームワークの導入
4. Jamesのインストール
この節ではJamesを設定し,実際にメールを 受信してみることにします.Jamesの実行には, Java2の実行環境が必要です.Java2実行環境を
あらかじめインストールしておいてください. 執筆の時点でJamesの最新版は2.1.2です.本稿 ではLinuxにインストールする場合の例を中心に
記述していますが,UNIX系のOSをお使いの場 合もほぼ同様にインストール可能です.Windows 系をお使いの方は,ディレクトリや環境変数の
設定部分などで多少変更が必要です.
また,後ほど紹介するサンプルアプリケーショ
ンではデータベースにMySQLを使用しますが,
James自身の実行にはデータベースは必須ではありま
せん.James単体で,メールサーバやMailetを使用す
ることが可能です.
4.1 ダウンロード
Jakartaプロジェクトのバイナリダウンロードページ
は,
http://jakarta.apache.org/site/binindex.cgiです.
このページには、Jakartaプロジェクトで開発され、
ダウンロード可能なバイナリ形式のプログラムの一覧が
記述されています。Jamesは、もともとはJakartaプロジェクトの
サブプロジェクトだったため、現時点でも、
ここからJames最新版のダウンロードページに
進むことができます。
Jamesのバイナリは tar.gz形式と zip形式で配布されています.
用意されているアーカイブには james と james-MailetSDK
があり,MailetSDK には javadoc のドキュメントと一
部ソースコードが附属しています.どちらをダウンロ
ードしても構いません.
ダウンロードしたファイルは適当なディレクトリに
展開してください(これ以降,アーカイブを展開し作
成されたディレクトリを $PHOENIX_HOME と記述し
ます).Solarisをお使いの場合OSに付属のtarコマン
ドでは,ファイルを展開できない場合があります.そ
の場合にはGNUプロジェクトから配布されている tar
コマンドを使用して展開してください.
展開すると,$PHOENIX_HOME/apps/ ディレクト
リの下に james.sar というファイルが作成されます.
これが Jamesの実体です.それ以外のファイルの多く
は,Avalon で提供されているフレームワークや Phoenix
関連のファイルです.James が Avalon 上で実装され
たアプリケーションであることがわかると思います.
4.2 James の設定と起動
まずはJamesを起動します.binディレクトリの下
に,run.bat と run.sh があります.展開した段階では,
このbinディレクトリ下の run.sh と phoenix.sh にファ
イルの実行権が設定されていませんので,実行権を設定
してください.また,環境変数JAVA_HOMEの設定
も忘れず行ってください.
SolarisやLinuxでは,Sendmailが動作している可
能性があります.その場合は,同じSMTPポートを使
用するJames は起動できませんので,あらかじめ
Sendmail(あるいは,他のSMTPサーバ)は,停止
しておく必要があります.POP3サーバも同様に停止
しておいてください.POP3サーバは,inetdから起動
するように設定されている場合もありますので,
/etc/inetd.conf(RedHat Linuxでは,/etc/xinetd.conf)
も合わせて,POP3サーバが起動される設定になって
いないか,確認しておいてください.
Solaris/Linuxを含むUNIX系のOSでは,run.shで
起動しますが,root権限がないとSMTP等のポートを
開くことができませんので,root権限でrun.shを起動
します.
# ./run.sh
:
Phoenix 4.0.1
James 2.1.2
Remote Manager Service started plain:4555
POP3 Service started plain:110
SMTP Service started plain:25
NNTP Service started plain:119
Fetch POP Disabled
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これで,POP3,SMTPサーバが起動しました.こ
の初回の起動で,$PHOENIX_HOME/apps/の下に
jamesディレクトリが作成されます.これは,最初の
時点であったjames.sarファイルの一部が展開された
もので,設定ファイル等はこれ以降,$PHOENIX_
HOME/apps/james/ディレクトリ以下のファイルが
参照され,実行されます.このようなsarファイルの
展開管理なども,Avalonフレームワークが提供して
いる機能です.
次に,DNS サーバを設定します.$PHOENIX_
HOME/apps/james/SAR-INF/config.xmlに図3の記
述があります.Jamesをインストールしているマシン
がDNSサーバとなっていない場合は,
...に,DNSサーバのIPアドレスを
設定してください.
<dnsserver>
<servers>
<server>127.0.0.1</server>
</servers>
<authoritative>false</authoritative>
</dnsserver>
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4.3 メールアカウントの設定
config.xmlの設定が終了したところで,再度run.sh
を実行してJamesを起動します.次に,メールを送受
信するためのアカウントを作成し,メールサーバをテ
ストしてみましょう.
メールアカウントの作成には,Jamesが提供してい
る RemoteManager 機能を使用します.図4の手順で
James に対して telnet でログインします.
$ telnet localhost 4555<ENTER>
JAMES Remote Administration Tool 2.1.2
Please enter your login and password
Login id:
root<ENTER>
Password:
root<ENTER>
Welcome root. HELP for a list of commands
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インストール時の状態では,ログインIDとパスワ
ードは両方とも root になっています(このアカウント
とパスワードは,config.xml で変更できます).この
ログインした状態で“HELP”とタイプすると,実行
可能なコマンドの一覧が簡単な説明とともに表示され
ます.
メールアカウントを追加するために,次のコマンド
をタイプします.
adduser test testpw<ENTER>
User test added
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これで,アカウント名 test,パスワード testpw のユ
ーザが追加されました.quit によって telnet が終了し
ます.なお,Jamesを終了するときは,この telnet 上
で shutdown と入力します.
shutdown<ENTER>
shutting down, bye bye
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この telnet を使用して,アカウントの作成のほかに,
パスワード変更およびアカウント削除,alias の設定と
解除,転送設定等も行うことができます(“HELP”
で調べることができます).
作成したメールアカウントに,メールが送られるこ
とを確認してみてください.デフォルトの設定では,
localhost またはローカルホスト名あてのメールしか受
け取りませんので, メールソフトを設定して
test@localhost あてにメールを送信してください
(config.xmlの servername タグの追加で,localhost あ
て以外のメールも受信できるようになります).James
がメールを受信すると, スプールディレクトリ
($PHOENIX_HOME/apps/james/var/mail/inboxes/test/)
に,受信したメールが保管されます.James が
正しく動作していれば,メールソフトを使用して POP3
でテスト送信したメールを受信することもできるはず
です.
このドキュメントに関するご意見、ご要望などはまで。
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